ひとりごと


2020


5/29   ダウンロードとインストール



 似て非なるもの


自粛のお陰でパソコンが大活躍。
急に出回ったため、サポートセンターが大忙しだそうな。
パソコン用語が分からない初心者に、分かり易く説明するのが大変だと。

私もパソコンを始めた頃に、息子に聞いたことがある。
ダウンロードとインストールの違いは?

 「お客さんをうちへ招待するのがダウンロード
  その客さんが居座ってうちで生活するのがインストール」

そんなことをいわれて妙に納得した覚えがある。
最近ネットで見つけた解説は、更に手が込んでいた。

 「中国で作った冷凍餃子を日本に空輸するのがアップロード
  スーパーで餃子を買って家に持って帰るのがダウンロード
  家でチンするのがインストール
  で、段ボール餃子だったらそれがウイルスだ」

これを電車の中で読んだ人が、笑いを堪えるのに必死。
マスクしてて良かった!と。

あの国はどうもウイルス送るのが得意らしい…。





5/25   自粛で自縮



 


コロナにやられる前に、自粛体制に参ってしまう人も多いだろう。
オタク体質の人は別として、特に出好き人好きな人は気持ちも縮こまる。
では自粛で自縮しないためには、どうしたらいいのか?

昨日の日曜美術館で95歳の染色家いわく、何を見てもやっても面白いと。
ペロペロキャンディーをなめなめ語っておられた。
何でも面白がる精神は、今一番必要かもしれない。

ところで、我が家にもようやくマスクが届いた!
なにかと話題になり、替え歌にまでなった待望のマスクが!
手作りマスクが溢れ、高値とはいえ規制のマスクも現れ始めたこの頃…
「遅かりし!総理!」とひとこといっておこう。

まさかの可愛い(総理御装着の小さ過ぎる)マスクが二枚も!
洗い替えもありとは有難い…。
なに!洗濯すると縮むと!? むむ、更に縮むか!!
何度も洗えて何度も笑えるアベノマスクだった。

総理!国民がこれ以上自縮しないように、お手当を早めに頼みますよー!



 






5/21   カエルの哲学



 


霧雨の庭で、生き返った草たちの葉影に、じっと佇むものが…
代々我が家に棲みついているガマガエル君だった。

「さっきからずっと動かないね」
「この素敵な湿り気を味わいつつだな、通りかかる虫を待ってるんだ」
「ほう、待ってる?ハンターとしてはかなり消極的…」
「獲物を追っても捕まえられないことの方が多い。だから待つのが一番」
「確かに、ライオンの狩りの成功率は2、3割っていうからね」
「そうだろ?無駄な動きをしないのが、真っ当な生き方ってもんだ」

「君は肉食系よね。だったら欲しいものはこっちから捕りに…」
「待つ狩猟ってぇのが、最も効率がよくて美しいのさ」
「ああそう…」
「一日一膳、今日一日で一匹の虫が口に入ればいいのさ」
「なるほど…」

「人間は欲張りだからな、ご馳走が食べたいだの、買いだめしたり…」
「おっしゃる通りで…」
「コロナ太りなんかしてるんじゃねぇよ!」
「はー…」
「ボーっと生きてんじゃねぇよ!」
「ははーっ!」



 「人間もがんばれよ!」


 

 「また会おう!」





5/18   高級マンションはいかが?



 


自粛生活で、動物園の檻にいる動物たちの気持ちが分かるこの頃…
今はほとんどの動物園が休園中で、動物たちはめったにない長期休暇を楽しんでいることでしょう。

井の頭自然文化園の一角に、リスを放し飼いにしている大きな檻がある。
人間が中に入ってリスと遊べる楽しい空間だ。
そこで、このリスたちの棲み家のマンションポエム(高級マンション販売用のオーバーなキャッチコピー)を作ってみました。
リスたちがどんな生活をしているか、想像してみてくださいね。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  武蔵野のサンクチュアリで、ラグジュアリーな暮らしを!

   外界を遮断した完璧なまでのセキュリティー
   広大なマイガーデンには憩いの風が吹き
   樹上での語らい、水辺での散策
   高級レストランでの気ままなランチも思いのまま
   病院、介護棟も完備 生涯保証付き

                    (いづみ不動産)
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 樹上でのピクニックもお楽しみいただけます



 ビュッフェはいつでもご利用可能です



 ドリンクバーは飲み放題





5/12   見えないしりとり



 


お江戸の長屋に住むある夫婦の会話


「ねえお前さん、うちに籠ってるのも飽きたねぇ。しりとりでもやる?」
「そうだな、普通じゃつまらんから、見えねえもんでやるのはどうだ?」
「いいね、今は見えないもんとの闘いだしね。…あ〜っ!臭い!」

「ちょうどいい、屁は見えねぇ…へから行こう!へ、へ、平和!」
「臭い平和だね。わ、…我がまま!お前さんのことだ」
「ってやんでぃ!ま、真面目!おれのことだ」
「め、め、迷惑!これもお前さんだね」
「く、空気!」
「お前さん、時々空気読めないことがあるよ。き、希望!」
「う、歌!」
「お前さんは音痴だけどね。た、た、短気!これもお前さんだ!」

「さっきから黙って聞いてりゃ、おれの悪口ばっかりじゃねえか!」
「短気、気分や、やかましい、いばりんぼ、ぼんくら…」
「ひとりでやってろ!馬鹿!」
「馬鹿、甲斐性なし、しみったれ、礼儀知らず、ずぼら、乱暴…」

「随分並べたね、おまえ、そんな相手とよく40年もいっしょにいるな?」
「あれから40年…あたしの青春を返して!」
「やれやれ、見えないもんなんかでしりとりしたのがいけなかった…」
「外へ出たいよう!自由を返して!」
「誰にいってるんだ?好きにしろ!」
「好き、嫌い、意地悪、留守番…留守番頼んだよ!」
「どこへ行くんだ?」
「はばかり!…んで終わったからね!」
「…」





5/10   自分の感受性くらい



 心にも水やりを!


うまくいかないことがあると、どうしても人のせいにしたくなるものだ。
そんな時、茨城のり子さんの詩が小気味よく響く。
ご自分に向っていってると思うけど、読んだ方は叱られてる気分に…。


      「自分の感受性くらい」   茨城のり子

  ぱさぱさに乾いてゆく心を
  ひとのせいにはするな
  みずから水やりを怠っておいて

  気難しくなってきたのを
  友人のせいにはするな
  しなやかさを失ったのはどちらなのか

  苛立つのを
  近親のせいにはするな
  なにもかも下手だったのはわたくし

  初心消えかかるのを
  暮らしのせいにはするな
  そもそもが ひよわな志しにすぎなかった

  駄目なことの一切を
  時代のせいにはするな
  わずかに光る尊厳の放棄

  自分の感受性くらい
  自分で守れ
  ばかものよ



 






5/6   コロナでゴロネ



 密集、密接のシロツメクサ



緊急事態宣言が延長になって、いつもと違う子供の日が静かに暮れた。
子供はいくつになっても心配なもので、お城の殿と家来の会話も…


「悪霊退散!臨兵鬥者…」
「殿、感染除けのまじないでございますか?」
「医者の藪庵が申しておった。その方も唱えよ!」
「ははー!悪霊退散!」

「して、若はどうしておる?」
「若君は国盗り研究にご熱心で」
「末頼もしいのう」
「爺を相手に国盗り双六でございますが…」
「どこぞの若君のように、うつけといわれそうじゃ…悪霊退散!」

「して、姫はいかがいたした?」
「姫は中庭で素振り千回とか」
「末怖ろしいのう」
「昨日は指南役を倒したそうで…」
「嫁にもらい手が、あってもなくても難儀じゃな。林彪当社…」

「して奥は?」
「奥方様は、大奥を仕切って、いづみ式『兎と亀体操』のご指南で…」
「鶴亀鶴亀…」
「いや、兎と亀でございますが…」
「これもまじないじゃ!わしは亀になる!」
「ほう!亀はかなりきつい運動でございますが…」
「いや、手足を引っ込めて寝るのじゃ。布団を掛けよ!」
「ははー!?鶴亀鶴亀…」



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