2019 11/30 人生フルーツ 風が吹けば 枯れ葉が落ちる 枯れ葉が落ちれば 土が肥える 土が肥えれば 果実が実る こつこつ ゆっくり 人生フルーツ 樹々希林のこんなナレーションで始まる映画、「人生フルーツ」が素晴らしかった。 建築家の津端修一、英子夫妻の晩年の暮らしを綴ったドキュメント。 90歳と87歳のふたりは、家の周りに雑木林を育て、野菜や果実を栽培し、何でも手作りしながら暮らしている。 自然と共に穏やかに、いたわりあいながら楽しみながら過ごす姿に、現代人が忘れている理想の暮らしを見た気がする。 真似はできないけれど、その精神は心に留めておきたいと思った。 最後のテロップにあった建築家の名言が心に響いた。 「家は暮らしの宝石箱でなくてはならない」ル・コルビュジェ 「長く生きるほど、人生はより美しくなる」フランク・ロイド・ライト 「答えは全て自然の中にある」アントニオ・ガウディ 11/28 佐倉へ U 旧川原家住宅 城下町佐倉には、武家屋敷がいくつかあって、角館を思い出した。 竹林の中を通る坂道が、江戸時代のまま残されていて、風情たっぷり。 国立歴史民俗博物館へも行くつもりが、江戸情緒でのんびりしたせいか、閉館時間になってしまって入りそびれた。 ここは広すぎて、見学は一日がかりだと聞いて驚いた…。 ひよどり坂 11/24 佐倉へ T DIC 川村記念美術館 爽やかな秋晴れの一日、千葉県の佐倉市へ出かけた。 美術館、国立博物館を始め、古代遺跡も残るなかなか文化的な所だ。 先ずは、川村記念美術館へ。 広い敷地のほとんどが広大な庭園。 実はその庭園見物が目標?だったけれど、先日の台風19号でほとんど通行不能になっていた。 残念!こんな所にも台風の被害があったとはちょっと驚き…。 その片隅に建つ美術館は、レンブラント、モネ、ルノワール、ピカソなど、17から20世紀の作家のコレクションがずらり。 広い部屋にゆったりと飾られ、観客も少なく、都会のせせこましい美術館とは違って、のんびりできる贅沢な空間だった。 美術館前のオブジェ 11/19 365日のシンプルライフ それは本当に必要な物なの? 実験でどこまでやれるかを試すドキュメント番組、NHKの「どきゅランドへようこそ」が面白い。 雪積るヘルシンキの街中を、素っ裸の青年が走ってくる。 「幸せとはいったい何なのか、幸せのために物は必要なのか?」 そんな疑問を解決すべく、青年は持ち物を全て倉庫に預け、一年間、一日一品だけ持ち出すという実験を始める。 物で溢れていた部屋は、文字通り空っぽ。 まずは防寒にコート一枚ゲット。 一晩目は床に転がり、コートにくるまって寝る。 食べ物だけは運んでもらい、食器はないので手で食べ、冷蔵庫もないので窓の外へ。 仕事に出るために少しずつ身に着けるものを取りに行く。 誰もパンツを履いてないとは思わないと、始めは下着なしで出勤。 マットレスを持ってきた時は嬉しくて頬ずり…。 物の価値、有難みを身に染みて感じる様子が、おかしくも感動を呼ぶ。 家族の応援や大好きなおばあちゃんの存在も大きく、絆も深まる。 やがて生活に便利なもの、あれば楽しいもので部屋は元に戻りつつある。 365日目、まだ倉庫には半分以上の物が残っていたけれど、もう何もいらないと去っていく。 何もない所からスタートしたことで、本当に必要な物が分かったわけで、人生に物はどれだけの価値があるのかを考えさせられた。 亡くなる間際のおばあちゃんの言葉にぎょっとした。 「女は男より物が必要なの。認知症になったら毎日何か買いに行ってしまうかも…」 女の方が物欲が強いってこと? うーん、気を付けよう…。 11/15 うろんなお隣さん 相手にしないというのが正解? 世の中うろんなことが多過ぎる。 巷の事件から諸外国の動きまで、疑問符を付けたくなることが次々と…。 こちらはいろいろ憶測し想像するしかない。 特に近くの国々は、身につまされて眉をひそめる日々。 国連も、かの国を刺激しないようにと、忖度が激しい。 どうしたもんだろうねぇ? お隣は 子供の国か? 今いくつ?(ちこちゃんより年下?) 11/10 うろんな客とは? うろんな客にうろたえる ゴーリーの代表作、「うろんな客」は、ある一家に怪しい生物が現れ、その不思議な行動が徐々に過激になるお話。 いったい何のことかと思っていると、どうやらそれはどこの家にもいるあの生き物だと気がつく。 種を明かせば、うろんな客とは子供のこと。 初めは存在するだけ、やがて少しずつ自己主張。 奇妙な行動をとる、いたずらする、反抗する…そしていつかいなくなる。 子供をこうとらえると、子育て中に何が起きても動じないかも…。 これは辛辣な育児書ともいえる。 うちにもそんな客人がうろうろいたけれど、最近それぞれ共に生きる相手を見つけていなくなった。 うろんな出来事も、過ぎてしまえば楽しい思い出。 もまれて育てられたのはこちらの方かもしれない。 ゴーリーさん、マイナス思考も徹底すると喜劇に見えてきますよ。 11/3 いろんなうろん 「不幸な子供」 お話はみんなハッピーエンドと思ったら… 練馬美術館で「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」という摩訶不思議な展覧会を見てきた。 ゴーリーはアメリカの絵本作家で、一風変わった絵と詩が面白くて、我が家にも絵本がいくつかある。 誰にでもありそうな暗さや不安な感覚を呼び覚ます、奇妙奇天烈なおじさんなのだ。 ちょっと偏執狂の細密画は、絵本と同サイズで、繊細さに改めて驚いた。 詩のような文体も韻を踏んでいて、調子よく別世界に運んでくれる。 絵本の他にも舞台美術、衣装、ポスターなど、多彩に活躍した人だったことは初めて知った。 人生明るい面ばかりではない。 裏側に広がる深い闇も覗いてみると、妙な安心感を得られるから不思議。 若い人たちが熱心に見入っているのも印象的だった。 会場のあちこちに秘密の仕掛けがあることに気づいて、2度楽しめる展覧会だった。 「うろんな客」 ある日、こんなやつがやってきて居座ったら… |